自分の爪を見てみると、そこにはいくつかの縦線が入っているかもしれない。
もしかしたら、それらはただの模様だと思って今まで氣に留めなかったかもしれない。
実はそれらの線は体の内側から「ちょっとヘルプが必要かも」という大切なサイン、つまりSOS信号の可能性があるんだ。
爪は健康の状態を映し出す、いわば「バロメーター」のような存在。
体の調子を教えてくれる大事な通知だと考えてほしい。
体の不調は、まず目に見える部分に現れることが多い。
爪はその最たる例で栄養状態やホルモンのバランス、ストレスの度合いまでを色や形、質の変化として教えてくれる。
だから爪の変化を見逃さないことは自分の健康を守る第一歩になる。
今回は、特に「爪の縦線」に焦点を当てて、その背後に隠されている体の声を、誰でもわかるように解説していく。
「鉄分不足」酸素が届かなくなった爪
まず、体の中で何が起きているかを想像してみよう。
体の中を流れている血液は全身の細胞ひとつひとつに酸素という生きるための絶対必要な栄養を届ける配達員のような働きをしている。
その配達員つまり赤血球が酸素を運ぶためには、それを乗せるための「トラック」が必要だ。
そのトラックの役割を果たしているのが鉄分なんだ。
もし、食事の偏りや成長期による大量消費、女子なら月経などで、この鉄分が不足してしまうとどうなるだろう?
そう、トラックが足りなくなる。
すると体の中心部から遠い爪の先のような末端部分まで酸素を届けることが難しくなる。
爪を作っている「爪母基」という部分は細胞が活発に分裂して新しい爪を作り出している工場なんだ。
この工場はとてもエネルギーを消費するので酸素がたくさん必要だ。
その酸素が届かなくなると工場は酸欠状態に陥ってしまう。
乾いた土地にひび割れが入ってしまうように爪の表面もでこぼこになり縦の線(スジ)として現れてくるんだ。
これが「もっと鉄分をちょうだい!酸素が足りないよ」という体からの切実な叫びなんだ。
· どんな症状が一緒に出る?階段を上るだけで息切れがする、いつもより疲れやすいと感じる、顔色が青白く見える、めまいや立ちくらみがする、氷を無性にかじりたくなる。
· どう対策すればいい?(鉄分を補給しよう)ほうれん草、小松菜、納豆、ひじき、カツオなどの魚。鉄分はビタミンCと一緒に取ると吸収が良くなるからレモンを絞ったり果物を一緒に食べるのがおすすめ。
「ビタミンB12不足」神経と血液の連絡ミス
次に、あまり聞き慣れないかもしれない「ビタミンB12」の話だ。
このビタミンは神経の伝達と血液を作る働き、この2つをサポートする縁の下の力持ちのような存在だ。
神経の周りには「髄鞘」という電気コードのビニール被覆のようなものがあって信号が漏れないように守っている。
ビタミンB12は、この被覆をしっかりと保つための材料になるんだ。
これが不足すると、まず神経の伝達がうまくいかなくなる。
爪を作る工場(爪母基)には神経がたくさん通っていて「きちんとした丈夫な爪を作れ!」という指令を送っている。
ビタミンB12が不足すると、この指令系統にノイズが入ったり指令そのものが届かなくなってしまう。
さらに血液を作る働きも助けているので不足すると先ほど話した酸素を運ぶ「配達員(赤血球)」そのものの数が減ったり変形して機能が落ちてしまう。
その結果、指令も酸素も届かない工場は大混乱に陥り、でこぼこな質の悪い爪(縦線)を作り出してしまうというわけだ。
· どんな症状が一緒に出る?手足の先がじんじんしたり、しびれたりする(神経の障害)、よく物忘れをしたり、集中力が続かない、舌がひりひりする。
· どう対策すればいい?(ビタミンB12を補給しよう)魚介類(特にシジミやアサリなどの貝類、サンマ)乳製品。菜食主義(ベジタリアン)やビーガンの人は動物性食品を取らないので特に不足しがちだから要注意だよ。
「甲状腺の疲れ」体のペースメーカーがスローダウン
「甲状腺」って聞いたことがあるかな?
のどぼとけのすぐ下にある蝶が羽を広げたような形の小さな器官なんだけど、ここはとっても大事な仕事をしている。
それは体の新陳代谢のスピードをコントロールすること。
体全体のエンジンの回転数を管理するペースメーカーのような存在なんだ。
何らかの理由でこの甲状腺の機能が落ちてしまう(これを「甲状腺機能低下症」という)と体全体の活動がスローモードになってしまう。
エンジンがかかりにくい状態だ。
爪の成長スピードも当然遅くなり古い爪がいつまでも留まっている感じになる。
さらに皮脂や汗の分泌も減るので爪は乾燥してもろくなり縦線が目立つようになる。
爪が割れやすくなったな、と感じたら要注意だ。
· どんな症状が一緒に出る?いつもだるくてやる氣が起きない、いくら寝ても眠たい、寒さに弱くなった(クーラーがすごく苦手)食べてないのに体重が増える、髪の毛が抜けやすい。
· どう対策すればいい?これは自分で何かを食べて治そうとするのは危険だ。緊急であれば血液検査を受け、ホルモンの数値を測ることで初めて正確な判断ができるんだ。
「ストレス」コルチゾールという「非常ベル」の弊害
社会では様々なことでストレスを感じる機会が増える。
実はこのストレスも爪に大きな影響を与える。
ストレスがかかると体はそれに対処するために「コルチゾール」というホルモンを分泌する。
これは危険を感じた時に体を臨戦態勢にするための非常ベルのようなものだ。
問題は、この非常ベルが悩み事がある間中、鳴り続けてしまうこと。
コルチゾールが長時間出続けると血管を縮めて血行を悪くする。
すると爪の先のような末端まで血液が行き渡らなくなり、せっかく食事で取った栄養も爪の工場まで届かなくなる。
さらにビタミンB群などの吸収を邪魔したり体にためておく量を減らしてしまう働きもある。
ストレスは目には見えないけど確実に体を弱らせ縦線を作る原因になるんだ。
· どんな症状が一緒に出る?イライラしやすい、なかなか寝付けない(不眠)、食欲がなくなったり、逆に過食になったりする、肩がとてもこる。
· どう対策すればいい?しっかり睡眠をとることが何よりも大事。それから軽い運動(ウォーキングなど)をしたり、お風呂にゆっくり浸かったり好きな音楽を聴くなど自分なりのリラックス方法を見つけることがストレス対策の基本だ。
「まとめ」爪は何を伝えようとしている?
ここまで爪の縦線から読み取れる体のサインについて説明してきた。
でも、ひとつとても大事なことを伝えなくてはいけない。
爪の縦線は多くの場合「加齢」によるもので誰にでも現れる自然な変化だということ。
だから1本2本線があるからといって過度に心配する必要は全くない。
しかし、もしそれが最近急に目立ってきた、線がとても深い、複数の爪に同時に現れた、あるいはだるさやめまい、しびれなど、今回紹介したような他の不調を一緒に感じるなら、それは体からの重要なSOSの可能性が高い。
まず最初にすべきことはバランスの良い食事と十分な睡眠、そして適度な運動という健康の基本を見直すこと。
特に成長期であれば、たくさんの栄養を必要としている。
スマホを見る時間を少し減らして睡眠時間を確保してほしい。
それでも氣になる症状が続くなら自分で判断しないで相談しよう。
そして、必要なら病院で血液検査をしてもらうのが一番確実な方法だ。
自分の体の声に耳を傾け、そのサインを正しく読み取ることは大切な力だ。
爪は健康を守るための心強い味方になる。
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