「56文字の黄金板」

南米エクアドルのサンタ・アナ・デ・ロス・クアトロ・リオス・デ・クエンカで発見された「56文字の黄金板」

そこに刻まれていたのは、アンデス文明とは異なる日本の古代文字に酷似した56の記号だったという。

この不思議な逸話は、イタリア人宣教師ファザー・カルロ・クレスピが収集した遺物群にまつわるものだ。

クレスピはエクアドルで長年にわたり先住民から奇妙な金属製品や遺物を譲り受けていた。

彼のコレクションの中には、インカやマヤのものでは説明できない「未知の文化の痕跡」がいくつも含まれていたという。

ファザー・クレスピとクエンカの謎

ファザー・カルロ・クレスピ(1891年-1982年)は、教育者であり慈善家としてエクアドルで広く尊敬されていた聖職者だ。

彼は考古学にも造詣が深く、先住民から数々の遺物を譲り受け教会の裏にそれらを保管していたとされる。

しかし、その遺物の中には、アンデス地方の文化では説明がつかないものがいくつもあった。

とりわけ注目を集めたのが、黄金でできた謎の板だった。

この黄金の板には56個の不思議な文字が刻まれており、研究者が精査したところ「日本の神代文字」に似た記号が見られたという。

黄金の板と日本の神代文字

神代文字とは、日本における漢字伝来以前の文字体系とされるものだ。

現代の学界では神代文字の存在自体が懐疑的に見られているが、一部ではアイヌ語や古神道などに由来するものと考えられている。

では、なぜ遠く離れたアンデスの地で神代文字が刻まれた黄金版が見つかったのか?

考えられる仮説は以下の通りである。

1. 古代航海者の存在

縄文人が海を渡り、太平洋を横断して南米に辿り着いた可能性があるという説だ。

ポリネシア系の航海術は非常に発達しており、海洋民族が日本から太平洋の島々を経て南米に到達した可能性はゼロではない。

2. ムー大陸・レムリア文明の影響

ムー大陸やレムリアといった失われた大陸の伝説も関係しているかもしれない。

これらの大陸に存在した文明が沈んだ際、生き残った人々がアンデスや日本に散らばり文化の断片が各地に残ったとする説である。

3. 異星文明の痕跡

最も奇抜な説ではあるが、異星人が地球上の複数の場所で文字や技術を教えたという考え方もある。

日本と南米の両方が、かつて「宇宙文明」と接触した結果同じ文字文化が生まれた可能性だ。

黄金版の現在

ファザー・クレスピが収集した黄金の板やその他の遺物は1980年代に教会の火災で多くが失われたようだ。

現在、現存している遺物はごくわずかであり「56文字の黄金版」は所在不明とされている。

しかし、クレスピのコレクションは彼の死後もなお多くの研究者やミステリーハンターたちを惹きつけている。

南米と日本を繋ぐこの黄金の板は、失われた古代文明の証拠なのか、それとも歴史の誤解が生んだ幻想に過ぎないのか。

まとめ – 古代の繋がりを求めて

クレスピの黄金版に刻まれた56文字の謎は、私たちが知る世界の枠を超えたものかもしれない。

歴史の空白を埋める鍵は、意外にも身近な場所にあるのかもしれない。

「失われた文明は、私たちの心の奥深くに眠る記憶として刻まれているのではないか」

アンデスの黄金版に刻まれた文字は、私たち日本人にそう語りかけているのかもしれない。

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