「バイクの概念を覆せ」ライオンと馬が融合したカワサキの未来モビリティ「CORLEO」

カワサキ(川崎重工グループ)が2025年大阪・関西万博で披露した四足歩行ロボット車両 「CORLEO(コルレオ)」 は未来の移動手段を具現化したコンセプトモデルです。以下に、その特徴や背景、反響について詳しく説明します。

カワサキ「CORLEO(コルレオ)」未来の移動を先導する四足歩行ロボット車両

CORLEOは川崎重工グループが2025年大阪・関西万博の「移動本能(Mobility Instinct)」パビリオンで公開した水素駆動の四足歩行ロボット車両です。

人が「移動することによって幸せを感じる」という遺伝子レベルに組み込まれた機制「移動本能」を展示テーマとして掲げておりCORLEOはその想いを具現化した一つとして山岳地帯や不整地といった従来の車両ではアクセスが難しい自然環境でも人の移動本能を解き放ち冒険心を刺激する乗り物として設計されました。

1. 水素エネルギー駆動

CORLEOは環境負荷の低減を図るため水素を燃料とします。

後脚部に挿入する水素キャニスターに水素を貯め前脚部に搭載した 「モーターサイクルのエンジンをベースとしたターボ付き2ストローク150ccエンジン」 (水素エンジン)で発電し動力を得る構造です。

これにより排出物は水のみとなりカーボンニュートラル社会の実現に向けた川崎重工の取り組みを示しています。

2. 卓越した不整地走破性能

4本の脚による歩行機構は同社のオートバイ技術(スイングアームサスペンションシステム)とロボティクス技術(高性能なアーム技術)の融合です。

前脚と後脚が独立して動くことで衝撃を吸収しライダーは複雑な地形でも前方視界を確保しやすい姿勢を保てます。

各脚の先端には滑り止めのゴム製パッド(蹄)を備え、草地、礫石、岩場など多様な地形での走行を可能にします。

3. 直感的な操作体系

操作はアクセルやブレーキペダルではなくライダーの重心移動を主体とします。

あぶみ(ステップ)とハンドルに内蔵されたセンサーがライダーの体重移動や姿勢変化を感知し「曲がる」「進む」「止まる」といった操作を行います。

これにより「人馬一体」ならぬ「人機一体」 の直感的な操縦体験を実現しオフロード移動の未経験者でも不整地を安全に走行できるように設計されています。

4. 先進の情報表示と安全機能

ライダーの視界には水素の残量、ナビゲーションルート、重心の動きなどの情報を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD) が備わります。

さらに夜間走行時にはシステムが進行方向の地面に予想される着地点や照明ガイドを投影するナイトナビゲーション機能もあり安全性を高めています。

デザインコンセプトと名称の由来

CORLEOの外観は「百獣の王」ライオンの力強さや馬のような乗り物らしさを感じさせつつも、あくまで機械の美しさを追求したデザインとなっています。

具体的にはライオンのようなたてがみや顔つきを直接模すのではなく、そのシルエットや力をイメージさせる艶やかなフォルムと川崎重工らしいバイクのデザイン言語が融合されています。

名称の「CORLEO」はローマ時代の「しし座」のラテン語読み「コル・レオニス」(Cor Leonis、獅子の心臓を意味する)に由来します。

これはライオンの強さと勇敢さをイメージさせ、このマシンが目指す荒れ地の走破性や力強さを表現しています。

カラーリングシルバーとブラックを基調とし他の未来モビリティ「ALICE」との統一感やデザイナーが愛好するZ1スターダストシルバー、そして自然環境を連想させるグリーンやチャコールがアクセントとして用いられています。

開発背景と万博での展示

川崎重工グループは125年以上にわたり陸・海・空のモビリティ(新幹線、船舶、ヘリコプター等)を提供し、また国産初の産業用ロボット製造を始まりとするロボティクス技術、さらに水素サプライチェーンの構築など多角的な技術を持っています。

CORLEOは、これらの「モビリティ」「ロボティクス」「水素」 という3つの技術の粋を結集して生み出されました。

万博の夢洲会場ではCORLEOが複数のポーズを取る様子を実物大で展示しています。

また、未来の公共交通システム「ALICE SYSTEM」(アプリで呼び出せる移動型キャビン)の中心となる「ALICE Cabin」が接続する瞬間を切り取った「ALICE Rail」も併せて展示され同社の描く未来の移動体験を総合的に提案しています。

加えてバーチャル万博会場でも「移動本能研究所」が設けられ実物の展示では伝えきれない細かい動きや技術のこだわりをバーチャル空間で深く体験できるようになっています。

将来の展望と社会的反響

CORLEOは2050年頃の実用化・社会実装を想定したコンセプトモデルです。

その実現には水素インフラの更なる普及や技術コストの低減など解決すべき課題も多いとみられます。

社会的な反響としては、その未来的で力強いデザインとコンセプトに対しSNSやネット上で驚きと期待の声が多く寄せられています。

「SFの世界が現実に」といったコメントや、その独創性を称える声が目立ちます。

一方で、現時点ではコンセプトモデルであることから「実用化はまだ先」「コストが課題では」といった現実的な指摘や、中国やアメリカですでに実用化が進む四足歩行ロボットとの比較から日本のものづくりにおけるスピード感や市場化の課題を指摘する意見もあるようです。

まとめ

川崎重工の「CORLEO」は移動手段の概念を超え人の「移動本能」に呼びかけ自然との調和の中で新たな冒険と感動を提供する未来のパーソナルモビリティのビジョンを示しています。

水素エネルギーという持続可能な動力源とロボティクスを駆使した画期的な移動機構により、これまで車両が踏み入れられなかった領域への移動を可能にしアウトドアや探査、乃至は災害現場などでの新たな価値創造が期待されます。

現在はコンセプト段階ですが万博で披露されたその独創的なビジョンは未来のモビリティの可能性を広げ多くの人々に夢と議論を喚起しています。

今後の技術開発と社会実装への道筋に注目が集まります。

しかし2050年では…

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